プロダクトオーナー勉強会 Business Model Canvas

先月に引き続きプロダクトオーナーに参加してきました。

https://sites.google.com/site/spostudy/list/no14_20120706

今日のお題はBusiness Model Canvas
Business Model Generation という本で語られている手法です。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ちなみに私はこの本を読んでいません。


プロダクトオーナー勉強会の目的は、プロダクトオーナーがプロダクトの本当の価値を検証するリアルな訓練をすること。

まず、最初にBusiness Model Canvasの定義。

Business Model Canvas とは、組織や事業の設計図を考える過程や結果を元に、新たな発見を得ようとする思考モデル。

Canvasのイメージは以下pdfを参照
http://www.businessmodelgeneration.com/downloads/business_model_canvas_poster.pdf

こちらは紹介動画。

この絵をどう捉えるか。

Business Model Canvasには3つの軸がある。

  1. 共通言語で議論ができる
  2. 複数のモデルを比較できる
  3. 全体像を直感的に理解できる

そして、もう一つのビューがある。

Canvasの左側は「左脳的ロジック=効率」、右側は「右脳的感情=価値」

以上、定義。


それでは、ワークショップの模様。


Business Model Canvas はプロダクトに関するいくつかの要素を挙げていき、まず現状のビジネスをモデル化する。勉強会のワークショップでは模造紙に要素を付箋紙でブレストして、モデルを形作っていきました。
その後、ブレストした付箋紙から、現状を更に良くする代替部品について議論する。議論するなかで、あるエリアにある付箋紙が、実は別のエリアの要素になったりする。例えば顧客だと思ってた要素が実はパートナーとして捉えると新しい価値が見える、とか。

進め方にはいくつかの方法があるようです。

私たちのチームはある会社のスマフォ向け電子出版ビジネスについて議論しました。

ここではまず顧客に提供する価値が重要と考え、顧客になり得る要素からブレストしていきました。
顧客→価値→顧客とのコミュニケーション→チャネル→主要活動→リソース→… という順番でやりました。

コンテキストによってこの順番を使い分けてもよいそうです。
例えば、自分達が持っているシーズをうまく活かすビジネスを模索するならば顧客ではなく、主要活動のブレストから始めるケースもあるようです。

ワークショップでは時間がやや足りなかったので、現状の洗い出しまでしかできませんでした。

最初のブレストフェーズでは、要素によって大事になるべく具体的に出した方が良いものや、軽く流して良い部分もあるようです。出しきった後に議論して、要素を入れ換えたり追加することが大事。


私がこのモデルで斬新だったこと。

「左脳的ロジック=効率」「右脳的感情=価値」の構成。

Canvas の左側にはコストやリソースなど左脳的な要素がちりばめられていて、 右側には価値や顧客とのコミュニケーション(ハートマーク)みたいな右脳的要素になっています。このバランスがよくて、両方をひとつのモデルで眺めることができる。

私は自分が良いと思うものを説明するときに、極めて右脳的に説明してしまう傾向があります。

このモデルでは、そこをバランスよく思考できる仕組みがあります。右脳対左脳みたいな噛み合わない議論というのはありがちですが、それがCanvas に見えるってのはなかなか良いアイデアだと思いませんか?


最後に。これをどこでどのように使うか。

名前からすると、新規ビジネスの考案に使うっていうイメージですが、もう少し柔らかい場面で使うのがよいのではないか、というのが識者の意見でした。

例えば、意見交換会的やディスカッションの場で、ただただテーマについて話してもなかなか噛み合わなかったり、前提合わせで苦労したり。
そういうときに、これをたたき台として使うと、より現実のビジネスに目を向けた「語り合い」ができるのではないか。

ここ数年、社内で感じていたことは、全てが制度や左脳的ロジックで動いていて、あえて自分は右脳的行動に振り切ろうとしているところもありました。
ただ、それだと会話がやっぱり成り立たない。最終的にはバランスよく使わないと全体最適には向かわない気がしています。

それを補助する対話のツールとしてまずはどこかで使ってみたいと思います。